歩き周って腹が減った。
「お帰りなさい。
お、一週してこられましたな?」
店のおじさんが言う。高額割高そうなうどんを頼む。
あれこれのメニューが壁にびっしり貼ってある中に、有名人の色紙も貼ってある。食卓の
メニューを見ても壁一面の手書きメニューを見ても、あまり腹にたまりそうなものは無い
ようだ。
味噌で
もおでんなら、こういうイメージなのに。謝
、つる軒さん。
「おいしい・おすすめ 味噌おでん 食べてみま専科」
の手書きの札がここかしこに貼ってある。
味噌のようなおでんのような、モノを煮詰める甘い匂いもする。但し高い。500
円くらいする。うどんが600円を超えているから、うどんとおでんの昼飯で1000円以上も使うことになる。まぁ、いいやと味噌おでんを頼む。
味噌おでんというからには、大根・たまご・(ジャガイモ・)ちくわ・その他の練り物・コンニャクくらいは入っているだろう。「味噌」風味なんて名古屋文化圏が伝播しているのだろうか。とにかく腹が減っているのだから、大きいたまごが入っているといいな。大根の味の染みたのも食べれば、少しは腹は満足を得るであろう。
「はい味噌おでんお待ち。」
と店主の親戚系非常勤風おばさんが差し出したモノを見て「えっ」と声なき声を出す私。
出てきたモノはこういう感じで、厚さ5mmの三角形がやはり4〜5本であった。
謝、2002 YSP Members Club 風道浪漫さん。
ちっちゃくて粉っぽくなった串刺し豆腐に味噌を塗って暖めた高額「味噌田楽」にもこれまで散々脱力させられたが、出てきたこれって「おでん」じゃないじゃん。「コンニャク味噌田楽」でしょ? これで500円?(記憶があいまいだが600円だったかも。簡単に割り切れない金額だった) これはひどい。仕方がない。これも旅のナントカか。高い駐車料金だったものだ。
疲れて低血糖状態だ。甘い味噌ダレにちっとは糖分が含まれておろう。クニャクニャ食べる。これは昼飯ではなく菓子の一種だと思う。店内で出す商品としての極限を計算してある薄さであるから、あっという間になくなってしまう。
あとはぼんやり壁の有名人の色紙を見るが、だまされた人々のサイン紙のようにも思える。知っている芸能人は見当たらなかった。次にテーブルの上のゴマふりかけの内容物を現物とビン裏のラベルで丹念に調べたりする。
ようやく「しめじ」の入ったうどんが出てくるが、これも秒食だ。千数百円の「対価」を支払い帰途に付く。
なお、上州群馬では味噌おでんとはこういうものであると後で知る。参考1 参考2