越後・会津 2泊3日野宿旅
越後・会津 2泊3日野宿旅 23
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川俣湖か。すっかり暗い。

ハタと、夕闇の道端にきれいなイチョウが立っていたので撮影のため停車する。白い星、青黒く深くなった空に金色のイチョウがそびえていて街灯が意図せずしてライトアップしている。という記憶だったのだが、写真で見ると空が明るい。でも街灯が点いているからには、かなり薄暗いのである。すぐ後ろにスクールバスが停車し生徒たちが降りてきた。独りは民宿の鍵を開けて入っていった。「この子の家に泊まるのもいいな」という思いがよぎったが、鍵を開けて入っていくということは両親はいないということのようだ。再び走り出す。バスはとっくに出ている。ほどなく川俣温泉街に出た。この西の奥にも別の温泉がある。さっきの民宿の子の親もこうしたところのホテルの厨房やなんかで働いているのだろうか。それならいいな。温泉街は間欠泉の看板があったり、宿の部屋に明かりが灯っていたりして、温かそうで楽しそうだ。明るくてあったかいところで食事してテレビ観て眠るんだろな。


きれいなイチョウだったのですが。

さあ、山王林道である。 道の名前は今レポートを打鍵しながら初めて知った。「川俣湖が見える東屋のあるところ」を目指す。もう、日は没していて闇がそこまで来ている。山から下りてくる車は多い。対向車のライトがまぶしい。本線から外れて数十メートルで本線に戻る「展望」所あり。入り口でバイクを停めて、ぬかるんでいそうな落ち葉の歩道を歩いてみる。はるかかなた濃紺の暗がりの中に湖か川のようなものが見える。カメラを構えてみるが撮影不能。展望所の奥部には椅子のようなものがあるが、ここで野営するのはかなりためらわれる。何より「東屋」がない。ずいぶん登ってきたつもりだが、もっと先なのだろう。相変わらず対向車がポツリポツリとやってくる。ガダガダガダガダッと道路補修工事もやっていて騒音も響き渡っている。カーブを曲がったら樹木が切れ、頭上が開けて広い場所に出た。東屋もある。