| | |
私は疲れと帰路のことを考えてちょっと焦りスピードで乗鞍スカイラインへと左折し、
バイクを進ませる。ここは狭いながらもグングン高度が上がるらしく、どんどん涼し
くなっていく。「夫婦松」の展望休憩所(料金所手前)まで来ると、雲が間近にキリ
になっている。
今回のツーリングは残念ながら空気が湿気のためか霞んで、何処にいても山々は見え
ず、ここの展望もなかった。
料金所からはオジサンの声で、
「乗鞍岳の頂上駐車場は、満車のため、500メートルの渋滞となっております」
「料金は・・・です。お釣りのないよう、御用意下さい」
としつこく、しつこくくり返して放送している。
「ここは涼しいわね。渋峠も涼しかったけど、ここも寒いくらい」
「うーん、折角来たのに、何も景色が見えないねぇ」
「今回はやめましょうよ。また今度の楽しみにとっておいて」
われわれは料金所前で引き返すことにした。
さて、もう昼になっているので帰ろう。でも松本にもどるより、高山の方が近い。
あとは、私の眼には景色は映らず、ひたすら高山・高山。
混み合う高山市街を行く。途中、前に来たとき食べられなかった「飛騨牛のくし焼
き」の店を妻は発見し、停めてくれ停めてくれと言うが、私は観光バスの後ろで、
ちょこっとずつしか進まないのが長かったので、さらに疲れて「もう勘弁してくれ、
頼むから」とムゲにバイクを進ませる。
高山駅前の喫茶店で一服してから、妻はJRで、私は荘川から「東海北陸自動車道」
で帰ることにした。
荘川で自動車道に乗ろうと思ったが、燃料の残が少なくなっていたのとトイレに行
きたかったので高鷲へ。高鷲に着くまでにトイレもガソリンスタンドもうまく処理
できなかったので白鳥へ。白鳥でトイレを済ませ、燃料も入れ、さあ自動車道に乗
ろうとすると、「美並から美濃まで通行止め」だと! 一瞬、福井の大野経由の道
も考えたが、美濃まで南下することにした。
しかし、白鳥を出た途端、延々と渋滞もしくはノロノロ運転。大和町や八幡町では、
頭上の北陸自動車道でも同様の状態になっているらしく、観光バスが高架の自動車
道で止まって動かないのが見えた。
私はすり抜けすり抜け、裏道裏道をくり返し、ようやく美濃で混雑する自動車道に
乗ることができた。
名神に乗り換え、養老SAが近づくと、こんどは栗東から京都東まで渋滞15キロ
の表示。養老で休憩して走り出すと25キロの渋滞になっていた。
栗東で高速を降りて、下道を行くと、やっぱり京都への道はピタリと動かぬ渋滞だ
った。
帰宅したのは21時前になってしまった。
しまい
| | |