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2000年8月 信州←京都
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 「お父さん、お父さん!」
 「お母さんも、お母さんも!」
 泊まっていた旅館の部屋の斜め下の部屋には小学生の家族が宿泊しているらしい。
朝から楽しく盛り上がっている。セミはみーんみんみんみんみんみーぃん、と鳴いて いる。  われわれはとってもなごりを惜しんで、何枚も旅館の写真をとって旅館を後にした。

 さあて、今日は日本の道路で最高の高度の乗鞍スカイラインに行くのだ。
 昨日も頑張ったが、今日もピースサイン、頑張るぞ!

 松本市内を迷走して国道158号に出る。
 しばらくは「松本電鉄」ののんびりした線路沿いを、上高地行きの車の列に挟まれて 行く。線路がいつのまにかなくなるとダムの横を走っている。道の駅「風穴の里」は マイカーと観光バスで一杯になっている。ここまで来て、やっぱり運転担当の私は、 かなり疲れていることが自覚された。
 えいやっ、えいやっとバイクを押して、またがって、トンネル群を目指す。
 国道158を安房峠へ向かうトンネル群は渋滞の三歩手前くらいの混み具合で、なま 暖かいトンネルになっている。
 沢渡(さわんど)という所まで来ると、上高地に行く人達はここで車からバスやタク シーに乗り換えるので、交通量はぐっと減ったが、安房峠と上高地の分岐は渋滞にな っていた。

 たしか、安房峠の有料トンネルはたしか、バイク二人乗り禁止だったように聞いてい たし、何より私が安房峠を越えたかったので、迷わず峠道へアタック!
 走ってみると、それほどきつい坂やカーブもなく(この程度のカーブならどこにでも ある)、なかなかに楽しく涼しい。
 あの有名な「峠の茶屋」で休憩・写真撮影をして、平湯へと抜ける。途中、平湯の街 並みが眼下に見えるらしく、後ろのシートで妻は「あんな所に町がある」などと叫ん でいる。(半分は興奮して叫んでいるのだが、もう半分は私に聞こえるように叫んで いるのである。いつも叫んでいるのではないので念のため。)

つづく
 
 
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