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2002年9月 北海道
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 さてライダーハウスを探すが、地図で「北の元気村」の隣のライダー ハウスの照明看板はあるものの肝心の「元気村」が見当たらない。 断続的に交通量の多い国道39をゆっくりうろつくと、真っ暗な中に ようやく看板を見つけた。
 受付らしきところに灯りがついていて、「ピンポン」を鳴らしてみる 奥に人がいるらしいが、誰も出てこない。
  「そうか、ライダーハウスって適当に名前を書いて置いて、翌日精算するシステムなんやろかな?」
受付簿に記入して進入。

 バンガローのような一戸建てのような建物がいくつか並んでいて、 ブレーカーを入れて勝手に入ってみると、立派な部屋である。テレ ビやベッドまである。だが肝心の風呂が破壊されている。
 そこで隣の建物に行ってみると、ここはひたすらバンガローのよう で、やはり風呂が破壊されている。
  「おかしいなあ、雑誌には風呂のマークが描いてあるのに?」
と次の建物に行こうとすると、老夫婦が懐中電灯をもってやってき た。
 婆さん「あぁ? 電気消えてる。消えてるよ、消えてる。おかしいな。(独り言)
     あ、お宅、泊まるの?」
 くらげ「電話した者です」
 婆さん「おじいさん! ライダーハウスに泊まるんだって、ライダーハウス! 電気、電気」
 爺さん「あぁ?」
 などというやりとりがあって、案内されたのは、やたら広いプレハ ブ様の部屋というか、部屋がそのまま建物というところだった。
  「風呂はどうなりますか?」
  「風呂? あ、入れてあげるよ、お湯ためたら、お客さん呼んで呼んであげるから、あっちから大きな声で呼んであげるから。」
  ただっ広い小屋というより「大」小屋に二人きり。
  「昨日は4人いたんだけどねぇ、夏が終わるとお客さん減ってしまって・・・。」
 大部屋を独占しながら白黒テレビを見ていたが、寒い! 部屋の中 央付近には、「北の国から」で見たストーブのようなカマがある。 壁を見ると
  「マキ 400円」
と貼ってある。
  「ひえーっ、マキが宿泊料の半額もするよ!」
 
  「・・・おきゃくさーん!」
と呼ばれて、風呂に行く。風呂はオーナーの家に附属している。
  「お客さんが多かったときは別の共同風呂をたくんだけどねぇ
   今はお客さんが少なくてマキを買いに行くのも大変で・・・
   大きな風呂なんですけどねぇ」
 なるほど客が二人なのに大きな風呂を、しかもマキで焚くわけには いくまい。
  風呂からの帰りに毛布をタダで借りて、マットレスを上にも下にも 敷いたりかぶったりして床に就いた。
  夜中にトイレに起きた妻の話では、鹿が来ていたとのこと。トイ レは別のトイレ小屋である。
  翌朝目覚めると持参の温度計は4度! コンビニで買っておいたおにぎりやパンと持参したコンロでわか したみそ汁や牛乳でエネルギーを補給して(もちろん寝具等を片 付けて)早朝、ライダーハウスを後にした。
つづく
 
 
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