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さてライダーハウスを探すが、地図で「北の元気村」の隣のライダー
ハウスの照明看板はあるものの肝心の「元気村」が見当たらない。
断続的に交通量の多い国道39をゆっくりうろつくと、真っ暗な中に
ようやく看板を見つけた。
受付らしきところに灯りがついていて、「ピンポン」を鳴らしてみる
奥に人がいるらしいが、誰も出てこない。
「そうか、ライダーハウスって適当に名前を書いて置いて、翌日精算するシステムなんやろかな?」
受付簿に記入して進入。
バンガローのような一戸建てのような建物がいくつか並んでいて、
ブレーカーを入れて勝手に入ってみると、立派な部屋である。テレ
ビやベッドまである。だが肝心の風呂が破壊されている。
そこで隣の建物に行ってみると、ここはひたすらバンガローのよう
で、やはり風呂が破壊されている。
「おかしいなあ、雑誌には風呂のマークが描いてあるのに?」
と次の建物に行こうとすると、老夫婦が懐中電灯をもってやってき
た。
婆さん「あぁ? 電気消えてる。消えてるよ、消えてる。おかしいな。(独り言) あ、お宅、泊まるの?」
くらげ「電話した者です」
婆さん「おじいさん! ライダーハウスに泊まるんだって、ライダーハウス! 電気、電気」
爺さん「あぁ?」
などというやりとりがあって、案内されたのは、やたら広いプレハ
ブ様の部屋というか、部屋がそのまま建物というところだった。
「風呂はどうなりますか?」
「風呂? あ、入れてあげるよ、お湯ためたら、お客さん呼んで呼んであげるから、あっちから大きな声で呼んであげるから。」
ただっ広い小屋というより「大」小屋に二人きり。
「昨日は4人いたんだけどねぇ、夏が終わるとお客さん減ってしまって・・・。」
大部屋を独占しながら白黒テレビを見ていたが、寒い! 部屋の中
央付近には、「北の国から」で見たストーブのようなカマがある。
壁を見ると 「マキ 400円」
と貼ってある。
「ひえーっ、マキが宿泊料の半額もするよ!」
「・・・おきゃくさーん!」
と呼ばれて、風呂に行く。風呂はオーナーの家に附属している。
「お客さんが多かったときは別の共同風呂をたくんだけどねぇ
今はお客さんが少なくてマキを買いに行くのも大変で・・・
大きな風呂なんですけどねぇ」
なるほど客が二人なのに大きな風呂を、しかもマキで焚くわけには
いくまい。
風呂からの帰りに毛布をタダで借りて、マットレスを上にも下にも
敷いたりかぶったりして床に就いた。
夜中にトイレに起きた妻の話では、鹿が来ていたとのこと。トイ
レは別のトイレ小屋である。
翌朝目覚めると持参の温度計は4度!
コンビニで買っておいたおにぎりやパンと持参したコンロでわか
したみそ汁や牛乳でエネルギーを補給して(もちろん寝具等を片
付けて)早朝、ライダーハウスを後にした。
つづく
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