越後・会津 2泊3日野宿旅
越後・会津 2泊3日野宿旅 8
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テントは持ってきている。シュラフもマットもある。水もある。ラーメンも買った。湯を沸かす設備もあれば、タオルもティッシュすらある。こっち(ジャスコ後側の山の斜面)は雨も降っていない。 これでホテル泊はどう考えても「もったいない」。ここは野宿だと奮い発つ。

勇躍してバイクに乗る。ずいぶん引き返して、これまでに目をつけていた通行止め支線に入る。場所はヒミツ。月が煌々と照っている。

ここはとある舗装山岳道路の平坦なコーナーであるが、通行止めなので安心だ。ただ、月明かりで見ると、周囲の草木が相当倒れている。水害か、重機で踏み荒らしたかのような感じである。コーナーから更に上に道は続いているが、この夜に行き止まりはイヤなので、比較的汚れていないところにバイクを停める。メットを外し、この間、家の電気配線の修理のために購入したヘッドライトを頭に装着する。普通の電球と発光ダイオードと切り替えることができるやつで、ダイオードでも結構明るい。

バッグの下から引っ張り出した寸足らずのドカシー(工事によく使用されている青いシート)を敷く。その上にテントを張る。テントとフライをつなぐバックルがまた一つなくなっている。確か、2万円以上したのに、困ったものだ。持参の綴りヒモと拾った枯れ枝でフライをテントにつなぎとめる。 さて、本日SAのテレビで見た今夜から明日の 天気予報は大吉だが、万一の雨に備えて、水の流れを考え、浸水しないようドカシーをずらし、フライと本体の間に巻き込んだりしてみる。エアマットをテントの中に放り込み自然吸気させながら、メットとバッグをテントの中に入れ風に対しての重石にする(風は殆ど吹いてはいない)。

カチャカチャとコンロやコッヘルを出す。

さて、身はテントの中にいれ、座って調理を始めよう。あぁ、パニアは便利だなぁ。キッチンの戸棚のように開けては食器や食材、さっき買った水などを取り出す。湯を沸かしながら、エノキを半分使う。残りは明日だ。禁断の食品、ウインナーも1袋開けてしまう。定番野宿麺チキンラーメンを取り出し、適当な順番でコッヘルに投入する。フーッと白い湯気が噴出し、実はもう煮過ぎなのだが、うれしくなって熱々の麺をすすり、エノキとウインナーの歯ごたえを楽しむ。一方ではコーヒー用の湯も沸いてきた。真空パックのドリップ式一杯きりコーヒーをいれてみる。とてつもなく不味い。脱酸素材が入っていてもこれだ。だが、楽しい。うれしい。

秋の山は冷え冷えとしているが、風はなく月が煌々と照っている。そこに温かい食事だ。無加糖・高繊維の野菜ジュースで食事のバランスをとったことにする。松代で買っておいたウイスキーをウインナーを肴にして飲む。酒に弱いのですぐに回ってきた。水でコッヘルを洗い、飲む。靴と食器類をフライの中に隠して、シュラフに入る。握り締めた携帯ラジオであれこれ検索してみる。

アルコールで耳の中はクラリクラリとしている。お天気占いで明日の大吉を確認すると、グラリと眠ってしまったらしい。


    「自由が身に染みる 秋」 白くらげ