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2000年8月 信州←京都
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  妻の話では、JR長野駅から立ヶ花駅までの電車は、一応電氣で動く3両の「列車」 になっていて、ワンマン。ドアも一番前の車輛の一番前のドアしか開かない。しか も「ボタン」を押さないと開かないし、長野駅を過ぎてからから立ヶ花駅に到る全 ての駅は無人で駅長室もなければ電話もない。ただ田舎のバス停に毛の生えたよう な小屋があるだけだ。もちろん単線。のどか。車内の空きようは、特急信濃の混雑 がウソのよう。車内のシートは2列だが、斬新で、通勤電車のように、窓際に内に 向かって長いすがくっ付いているのではなく、片方の窓際と、まん 中にもシートがあって、全ての客は、千曲川を向いて座るようになって いる、という。私も乗ってみたかった。

  さて、渋峠のホテルの犬をナデナデしたあと、白根山に行く。

  白根山の駐車場にバイクを停める。今日は快晴で良かった! まだ2時にもなって ない。白根山詣での列が蟻のよう。
さー! 登るぞ白根山。湯釜が待っている。湯釜を知らない妻は
 「えー? 登るのぉ? もう行こうよぅ、歩きたくないぃ」
 「バカモノ! 登るのじゃ」
手をひっぱり、尻を押し、エッチラ登る。見てみろ! 僕らの年令を足しても届か ない高齢者が集団で登ってるじゃないか! 見ろ! あの人はベビーカーを押して 登ってるじゃないか!

  ようやく湯釜の見えるところに着いた。
 「うっわー! 何? これ? うわー、すごーい!」
湯釜を初めて見た妻は興奮している。私だって初めて見たのだが。
 「うわー! これ、登ってきた甲斐があったよ! 登ってきた甲斐があったよ!
  写真とろ! 写真とろ! 写真とってもらお!」
小学生を連れてきたようなはしゃぎようで、帰りにまた熱を出さないか不安になる。
  私も、私がつくったわけでもない湯釜を
 「すごいだろ、えへん! 誰のお陰だ?!」

  写真を撮ったり撮られたりの湯釜を降りて、妻はブドウソフトクリームを食べる。
つづく
 
 
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