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2000年8月 信州←京都
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  背の高いサルスベリが紅い花を咲かせる前庭の石畳を踏んで、今日の宿「KU館」の玄関をわれわれはくぐった。

 いつもビジネスホテルに夕方電話しては飛び込むわれわれにとって、宿は今回のツーリ ングのテーマの一つであった。

 レンタルで行っても直(チョク)で行っても、10時か11時頃から志賀高原を走り、 翌日乗鞍に行くなら、どうしても宿は松本あたりがよい。そして、どうせなら、温泉が よい。浅間温泉か美ケ原温泉か。妻は浅間温泉はすごく料金が高いと言うので、美ケ原温泉 に泊まることにしていた。
 インターネットで美ケ原温泉旅館組合のホームページで宿の一覧や宿のホームページ でチェックし、いくつか候補を絞っていた。
 K旅館は小さいが、ホッコリできそうだ。
 O旅館は料金のわりには部屋がよさそうだ。
 Y屋なら、郷土料理が堪能できそうだ。
 ホテルWなら、露天風呂が広そうだ。

  「KU館」は、書道で言う「金文」という昔の中国のハンコのような字体で、ホーム ページでは料金不明。何やら高級そうだ。露天風呂に洞窟風呂、京風懐石料理。昔の 文人墨客が宿泊したと自慢してある。
 「これはパスだね。料金もわからないし。信州に来て懐石料理って変だよ」

  ところが、前に述べたように、「KU館」に予約してしまった。
どうして、一番はじめに「KU館」に電話したのか聞くと、
 「私もね、一番高級そうで高そうだったから、一泊いくらかなぁって、気になったの。それで電話したら2食つきで1万2千円って言うんだもの」
つづく
 
 
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