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3.設営
真っ暗な中でバイクを停める。キーを抜くと何も見えないので、しばらくライトをつけておく。 まず、ドカシーを敷く。すぐにできた。家で練習した成果だ。
次にエアマットに空気を入れる。ちょっと時間がかかったが、
焦るほどの時間もかからず、すぐできた。家で2回練習したので、
慌てなかった。防災訓練と同じね。
バイクの明かりを消す。目が暗闇に慣れるまでじっとしている。…… エアマットをドカシーの上に置く。書くまでもない。
エアマットの足の側をドカシーでくるみ、袋状にする。 お靴を脱ぎぬぎする。
ドカシーに足をつっこんでマットの上に寝て、ドカシーにくるまる。
この「ドカシーにくるまる」とかいうのが一番難しかった。ド
カシーのり巻き状にしたいのだが、左右の合わせるところが20
センチくらいしかない。頭のところも腕やジャケットがじゃまに
なってきちんとくるまれない。かといって、包み込まれるように
しないと、結構寒いし、得体の知れない羽虫がピトピト首筋や顔
に這ってくる。ジャケットを脱いでようやく完全にくるまった。
胴体や足のところは「マジックテープ」でとめてある。頭のとこ
は内側からドカシーを掴んで「くせ」をつけて閉塞状態にして、
虫を排除した。 めちゃくちゃ暑いし息苦しい。ドカシーの「しわ」
が崩れると「ガサガサッ」と大きな音がして、何か動物か何かが
来たのかとびくびくしてしまう。
不自然な状態で、ラジオのスイッチを入れ、何かやってないか探
すが、韓国系の放送ばかりで日本のは弱々しい。落語を聞いてど
うやら3時くらいらしいことがわかると、めまいがしてきて、眠っ
てしまった。
あとでわかったが、三瓶山の麓の浮布池近辺であったらしい。
つづく
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