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初野宿 1998年8月15日
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3.設営

 真っ暗な中でバイクを停める。キーを抜くと何も見えないので、しばらくライトをつけておく。
 まず、ドカシーを敷く。すぐにできた。家で練習した成果だ。
 次にエアマットに空気を入れる。ちょっと時間がかかったが、 焦るほどの時間もかからず、すぐできた。家で2回練習したので、 慌てなかった。防災訓練と同じね。
 バイクの明かりを消す。目が暗闇に慣れるまでじっとしている。……
 エアマットをドカシーの上に置く。書くまでもない。
 エアマットの足の側をドカシーでくるみ、袋状にする。
 お靴を脱ぎぬぎする。
 ドカシーに足をつっこんでマットの上に寝て、ドカシーにくるまる。
 この「ドカシーにくるまる」とかいうのが一番難しかった。ド カシーのり巻き状にしたいのだが、左右の合わせるところが20 センチくらいしかない。頭のところも腕やジャケットがじゃまに なってきちんとくるまれない。かといって、包み込まれるように しないと、結構寒いし、得体の知れない羽虫がピトピト首筋や顔 に這ってくる。ジャケットを脱いでようやく完全にくるまった。 胴体や足のところは「マジックテープ」でとめてある。頭のとこ は内側からドカシーを掴んで「くせ」をつけて閉塞状態にして、 虫を排除した。
 めちゃくちゃ暑いし息苦しい。ドカシーの「しわ」 が崩れると「ガサガサッ」と大きな音がして、何か動物か何かが 来たのかとびくびくしてしまう。
 不自然な状態で、ラジオのスイッチを入れ、何かやってないか探 すが、韓国系の放送ばかりで日本のは弱々しい。落語を聞いてど うやら3時くらいらしいことがわかると、めまいがしてきて、眠っ てしまった。
 あとでわかったが、三瓶山の麓の浮布池近辺であったらしい。
つづく
 
 
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